16章でトロアスから後に福音書と使徒行伝を書くことになる医者のルカがパウロたちに加わります。
パウロはあまり身体が丈夫ではなく、持病に苦しんでいたことが記されていますが、(Uコリント12:7)
その上、最初の伝道旅行の際に、石打ちの刑で半死の目にも遭い(使徒14:19)
その後も「毎日が死の連続」(Tコリント15:31)で、恐らく体中傷だらけの状態で伝道を続けた
ものと思われますが、その結果、病気または傷の治療のために、トロアス滞在中にそこで
開業していた医者のルカと知り合うことになりました。なんと不思議な出会いでしようか。
パウロの感化で、クリスチャンになったルカはその後の伝道旅行やピリピからエルサレムへの帰還、
そして逮捕、ローマへの移送とネロによる大迫害までの最後の数年間、他の弟子たちが危険を
察知してか、パウロを捨てていなくなった時も最後までパウロと共にいたことが記されています。
(Uテモテ4:10〜) ルカは自分の体験したことを詳細に書き遺しました。パウロがもしいつも全く健康で、
治療の必要のない身体だったら・・・ルカに出会うことはなかったでしよう。
ルカによる福音書や使徒行伝、聖書のこの重要で詳細な歴史資料を含んだ福音が後世に伝えられる
ことはありませんでした。パウロは神様に肉体のトゲ(持病)を取り除いてくださいと3度祈ったにも
かかわらず、神様は「わたしの恵みはあなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さの
うちに完全に現れるからである」と答えられました。(Uコリント12:9)
福音がエレサレムからアジヤへ、そしてヨーロッパ大陸へと伝わって行った過程は、まさに
使徒たちの弱さの中に神様の力が完全に働いた結果であったことが分ります。
わたしたちもたとえどんなに小さく、無力で弱い存在だと思われましても、また病気やさまざまな
困難な事情の中で、苦しみ絶望した状態でありましても、大丈夫です、決して諦めてはいけません。
神様の御心の内に留まり、祈りつつ諦めずに道を探し続ける限り、神様が最も良い方法でご自身の計画として、
わたしたちに必要なすべてのことを必ず成し遂げてくださると信じることが出来るからです。04/19 夜
あなたには、すべてができること、
あなたは、どんな計画も成し遂げられることを、
私は知りました。ヨブ記42章2節